教育訓練支援給付金は令和7年3月31日まで延長されました。
- 令和4年度
- 令和5年度
- 令和6年度
から学校に通う人は使うことができます。
しかし、
令和7年度、令和7年4月1日から学校に通いたかった人は使うことはできません。
少し先の話ではありますが、すでに再延長を願っている人もいると思います。
そこでこの記事は、
- 教育訓練支援給付金は再延長される可能性はあるのか?
- 再延長されるとすればいつ頃決まるのか?
を予想したいと思います。
あくまでも個人の勝手な予想です。
「こんな考えの人もいるんだ」という程度で読んでください。
こよおじ(雇用保険おじさん)
- 公務員 → 社会保険労務士
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令和7年3月31日以降、教育訓練支援給付金は延長されるのか?(公式)
教育訓練支援給付金の延長を含む改正案は順調に審議されているようです。
ここまで来ればもう延長は時間の問題だと考えます。4月中くらいには結果が出ますでしょうか。
以下はこれまでの流れや、以前書いた延長予想などの過去記事になります。興味のある方以外はここでバックお願いします。
ついに教育訓練支援給付金の延長案が示されました。
改正点は主に2点。
- 教育訓練支援給付金を令和7年度から2年間延長(令和9年3月31日までに受講開始する人が対象)
- 給付率を基本手当日額の8割→6割へ下方修正
(2)教育訓練支援給付金について
第189回 労働政策審議会 雇用保険部会報告(素案)より
○ 平成 26 年改正で5年間の暫定措置として講じられ、現在は令和6年度末まで
の暫定措置とされている教育訓練支援給付金は、専門実践教育訓練を修了した者
のうちこの給付金を受給していない同じ対象年齢の者と比較して、給付金受給者
の就職率や追加給付受給率は高くなっていることが確認された一方、一人当たり
の支給金額は平均約290 万円となっており、失業者に対する基本手当の支給額の
平均を大きく上回っている状況にある。
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令和4年改正においては、 コロナ禍からの経済の回復途上にあることも踏ま
えて3年間延長されたところであるが、引き続き、非正規雇用労働者の自発的な
能力開発を支援することが必要である一方、一人当たりの支給額等も踏まえて、
給付率を基本手当日額の 80%から 60%とした上で暫定措置を令和7年度から2
年間延長すべきである。
○ その上で、教育訓練支援給付金受給者が受講する教育訓練の分野が著しく偏っ
ている現状については、引き続きその実態の把握に努め、制度の見直しにつなげ
るべきである。
ついに具体案が示されました。
案が出たということは、行政側としてはこの制度を続けたいということです。
ここまで来れば、延長の確度は相当高いと思われます。
今後は専門部会で結論を出し、法案として国会へ提出。
その後国会を経て、正式に承認という流れになります。
情報が発表され次第、お知らせします。
資料により、議論がすでに開始されていることが示されました。
この時期に議論を開始することや、「対象者」「給付内容」という言葉が出てきていることから、前回のような単純な延長ではないような気がします。
教育訓練支援給付金に触れられています。
部会の資料に、
- 第四次産業革命スキル習得講座の受講者数が伸びている。
- 雇用保険適用就職率、正社員就職率、追加給付受給率を見ると、教育訓練支援給付金の受給者の方が非受給者に比べていずれも率が高くなっている。
という文言が載っています。
27ページが、支援給付金受給者の就職率に関する資料でございます。
第180回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会 議事録
青が支援給付金の受給者でございまして、黄色が支援給付金を受けていない専門実践の受給者の数値となっております。
支援給付金の受給者のほうが、就職率が高くなっておりますけれども、理由としては、45歳未満に限定されているということも考えられますので、黄色の受けていない方に関して45歳未満でそろえたものというのが緑になります。
こちらで見ましても、支援給付金の受給者の就職率というのが高くなっていることが分かるかと思います。
資料を読んだ感想として、
「1」は指摘されていた「看護師、准看護師に教育訓練支援給付金の使用が偏っている」という課題に対してポジティブ。
「2」はシンプルに教育訓練支援給付金の制度的な効果があるということに対してポジティブ。
と、今のところ延長等に対してポジティブであると感じております。
令和7年3月31日以降、教育訓練支援給付金は延長されるのか?(予想)
理由は2点。
- 教育訓練支援給付金は1度ならず2度までも延長されているから
- 国はリカレント教育に力を入れているから
です。
理由1:教育訓練支援給付金は1度ならず2度までも延長されているから
元々、教育訓練支援給付金は平成31年3月31日までの予定でした。
にも関わらず、
- 平成31年3月31日 → 平成34年(令和4年)3月31日まで(3年間延長)
- 令和4年3月31日 → 令和7年3月31日(3年間延長)
1度ならず2度までも延長されています。
なぜ、2度も延長されたのでしょうか?
普通に考えて、政策的な効果が高いからではないでしょうか。
事実、教育訓練支援給付金を受けながら専門実践教育訓練給付金を受けた人の約7割の人が目標の資格を取得しています。
しかも、専門実践教育訓練は独占業務(その資格がなければ業務自体を行えない)のような、専門性の高い資格です。
専門的な資格をゲットして、再就職を果たした人が7割もいるということです。
この高い目標達成率から、教育訓練支援給付金は、
「仕事を辞め、人生をかけて訓練に挑むようなモチベーションの高い人」の学び直しを的確に支援できている制度といえます。
理由2:国はリカレント教育に力を入れているから
第二の理由として、リカレント教育があります。
厚生労働省は、経済産業省・文部科学省と連携して、学び直しの支援をおこなっています。
教育訓練給付制度はその主たる事業と言えるでしょう。
主たる事業を削ってくるとは私には思えません。
また、コロナ禍で急速に進んだデジタル化などにより、求められるスキルが大幅に変わってきています。
職業転換など、今までと別の分野に進む人が多く出てくることが予想されています。
そういった人に対して適正にフォローしていくことは喫緊の課題です。
国会でも
- 職業訓練は極めて重要
- DX化に対応する人材育成
といった発言もあり、能力を伸ばすような積極的な支援には力が入っている印象です。
そんな中、職業転換にまさにピンポイントにマッチする教育訓練支援給付金がなくなってしまうとは私には思えません。
延長になるとすればいつ頃情報が出てくるのか?
- 早ければ、令和5年度中
- 遅ければ、令和6年度の下期
を予想します。
早ければ、令和5年度中
これは、制度に改正が伴った場合にありえます。
準備に時間がかかるからです。
例として、平成31年3月31日が平成34年3月31日に延長されたケースを見てみます。
このケースでは、平成29年3月31日の改正で、すでに延長が決定されています。(施行は平成30年1月1日から)
終了予定の2年前に延長決定がされているのです。
この時は、
- 専門実践教育訓練を受けるための条件
- 専門実践教育訓練給付金の額のアップ
- 教育訓練支援給付金の額のアップ
など、制度に関わる大きな改正がありました。
制度が変われば、
- 制度の周知
- コンピューターシステムの改修
に、たくさんの時間が必要です。
特にコンピューターシステムの改修は、変更点によって、たくさんの時間が必要となるでしょう。
そのため、制度改正があれば早めに延長を決定しないと間に合いません。
よって、次の延長に制度的な大きな改正が絡めば、早めに延長が発表される可能性があります。
2年前に延長決定されたという部分に着目すれば令和4年度内ということになりますが、延長になったばかりで制度を見極める必要もあるという点から令和5年度を予想しています。
遅ければ、令和6年度の下期
一方、令和4年3月31日から令和7年3月31日に延長したケースを見てみます。
記憶に新しい人もいると思いますが、延長が決定したのは、令和4年3月30日です。
終了する1日前の延長決定で、本当にギリギリでした。
単純に延長されるだったので、ギリギリでも対応できるとの判断だったのかもしれません。
制度の改正がない場合は、このようにギリギリに決まるパターンもあり得ます。
ただし、正式に決まるのはギリギリだとしても、もう少し早く方向性は見えてきます。
法律を成立させるために、10月くらいから改正案について話し合う会議が始まります。
その会議で延長の議論が出なければ、まず延長されません。
「会議で延長の議論が出ること」
これが第一の条件であり、かつ、最大の条件といえます。
これが出さえすれば、延長がかなりはっきりと見えてくるといえます。
どちらのパターンが可能性が高いのか?
理由は、
令和3年度の会議で制度改善を促されているからです。
具体的には、
教育訓練給付についても職業能力の向上を通じて失業予防・早期再就職を図るという制度趣旨に沿って運営される必要があり、受給者の動向を確認するために行っている受給者アンケートの見直し等も検討しつつ再就職後の定着
職業安定分科会雇用保険部会(第 167 回)参考資料より
率などの効果検証をしっかり行い、更なる制度改善につなげるべきである。
と、言われています。
参考資料を意訳すると、
今回はそのまま延長しよう。
だけど、次回は、現状の制度を分析して、教育訓練支援給付金をもっといい制度にしてくれよ!
このように私には読めました。
つまり、今回のような、単純な延長はないのではないでしょうか。
単純な延長でないなら、
- 制度の周知
- コンピューターシステムの改修
に対応する時間が必要でしょう。
よって、ギリギリではなく、ある程度早い時期に決まるのではないかと予想します。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
この記事では、
- 教育訓練支援給付金は再度延長されるのか?
- されるとすればいつ頃わかるのか?
を、完全に個人の妄想として予想しました。
個人的には、延長を予想しています。
理由は2点。
- 国は教育訓練支援給付金に一定の効果を感じている
- 国はリカレント教育に力を入れている
からです。
また、延長に制度改正が絡んだ場合は、準備期間が必要です。
よって、来年度には延長に関する情報が入ってくるのではないかと予想します。
繰り返しになりますが、あくまでも個人の予想になります。
今後も専門部会などの情報に注目し、更新していきます。
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