職業訓練校って、訓練中はどのくらいお金が貰えるんだろう?
確かに、事前にある程度わかっていれば計画も立てやすいですよね。
興味はあるんですけど、やっぱり訓練中の収入が心配で決断できなくて。
それでは、今日は訓練中の給付金の額について解説します。
訓練中の収入がイメージでき、職業訓練を受ける決断がしやすくなります。
こよおじ(雇用保険おじさん)
- 公務員 → 社会保険労務士
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給付金が貰えるパターン
給付金が貰えるのは主に2つのパターンです。
- 「受講指示」を受けた場合
- 「支援指示」を受けた場合(かつ、所得が一定基準以下の人)
です。
どんな場合に「受講指示」「支援指示」になるかは、以下の記事を参考にしてください。
パターン1「受講指示」を受けた場合
もらえる給付は主に3種類+寄宿手当
- 基本手当
- 通所手当
- 受講手当
- 寄宿手当
です。
1:基本手当
失業給付と同じ額になります。
給付の残り日数が0になるまで、自分の失業給付を使い続る。
給付の残り日数が0になれば、訓練期間にかかわらず、訓練終了まで失業給付が延長される。
というイメージです。
基本手当は訓練のある日だけではなく、土日、祝日すべて支給されます。
訓練を正当な理由なく欠席した日は支給対象となりません。
支給単位は、月末締の翌月払いです。
翌月何日に入金されるかは、各都道府県や、ハローワークによって若干異なります。
基本手当(失業給付)日額早見表
- 赤字が訓練期間中の基本手当(失業給付)の額になります。
- 一番左の列に、あなたの月の賃金を当てはめてご覧ください。
平均賃金の出し方
退職前6ヶ月の税引き前の総支給額を6で割り、平均を出してください。
この手当は賃金か、賃金じゃないか、の議論はありますが、無視してください。
誤差ですので、総支給額で計算してほぼ間違いありません。
ただし、ボーナスは入りません。
誤差が大きくなるので、入れずに計算してください。
計算した「月の賃金」を、上の早見表に当てはめてください。
失業給付、つまり、訓練期間中のおおよその給付額がわかります。
基本手当(失業給付)の額の決まり方
賃金が高い人は5割に近く、低い人は8割に近いイメージです。
自分が5割に近いか8割に近いかは早見表で確認してください。
平均賃金が月1万円違うと?
平均賃金が月1万円違うと、1日の額が100円程度違うこともあります。
- 月額にすると3,000円
- 年間にすると36,000円
短期間の訓練であれば影響は少ないですが、訓練が長期になるほど影響は大きいです。
よって、長期の訓練に行きたい人は、
退職前6ヶ月は、
- シフトや残業を増やす
- 欠勤は減らす
などの対策をとりましょう。
2:通所手当
1ヶ月の定期があれば定期代、なければ回数券21回分となります。
月額42,500円が上限です。
当然、常識的な経路で通う必要があり、わざと遠回りをするような経路は認定されません。
自宅から訓練施設までの距離が片道2キロ未満の場合は、よほど特別な理由がない限りは支給されません。
逆にいうと、片道2キロ以上あれば、自転車や自動車でも距離に応じて支給されます。(※徒歩では支給されません。)
距離 | 通所手当 |
---|---|
2キロ未満 | なし |
2キロ以上 10キロ未満 | 3,690円 |
10キロ以上 | 5,850円 |
15キロ以上 (かつ、指定地域) | 8,010円 |
指定地域は以下の厚労省リンクで確認してください。
リンク先に載っている「以外の地域」が指定地域です。
通所手当は訓練のある日だけではなく、土日、祝日すべて支給されます。
訓練を正当な理由なく欠席した場合はその日は支給対象となりません。
支給単位は、月末締の翌月払いです。
通所手当は、基本手当と同時に入るイメージです。
3:受講手当
受講した日なので、訓練を休んだ日はもちろん、土日祝なども支給対象になりません。
最大で40日分支給されます。
支給単位は、月末締の翌月払いです。
1年や2年といったどんなに長い訓練でも、最大で40日分しか支給されません。
4:寄宿手当
ただし、支給要件はかなり限定的で、
- 自宅から学校に通うと、往復で4時間以上かかってしまう
- 公共交通機関の始発・終電が学校のスケジュールに全くかみ合わない
といった理由が必要です。
対象者が非常に少ないため、基本手当、通所手当、受講手当の3つで考えた方がいいでしょう。
パターン2「支援指示」を受けた場合
受講指示が出ず、「支援指示」で職業訓練を受ける場合は、
もらえる給付は主に2種類+寄宿手当
- 職業訓練受講手当
- 通所手当
- 寄宿手当
です。
1から3を合わせて「職業訓練受講給付金」と呼びます。
職業訓練受講給付金の対象者は、主に
- 失業保険がない、または、失業給付の残り日数が少なく、「受講指示」が受けれなかった人
- 毎月入ってくる収入が少ない人
- 貯金が少ない人
になります。
1:職業訓練受講手当
職業訓練の開始日から「1ヶ月ごとに区切った期間」で支給申請します。
指定来所日という決められた日にハローワークに行き、支給申請と職業相談を行います。
(例)4月7日から7月6日までの訓練(※日付は適当です)
1回目(4月7日〜5月6日分)の支給申請、職業相談を行います。
2回目(5月7日〜6月6日分)の支給申請、職業相談を行います。
3回目(6月7日〜7月6日分)の支給申請、職業相談を行います。
指定来所日に支給申請を行いますが、当日即お金が貰えるわけではなく、支給まで1〜2週間程度はかかります。
2:通所手当
1ヶ月の定期があれば定期代、なければ回数券21回分となります。
月額42,500円が上限です。
当然、常識的な経路で通う必要があり、わざと遠回りをするような経路は認定されません。
自宅から訓練施設までの距離が片道2キロ未満の場合は、よほど特別な理由がない限りは支給されません。
逆にいうと、片道2キロ以上あれば、自転車や自動車でも距離に応じて支給されます。(※徒歩では支給されません。)
距離 | 通所手当 |
---|---|
2キロ未満 | なし |
2キロ以上 10キロ未満 | 3,690円 |
10キロ以上 | 5,850円 |
15キロ以上 (かつ、指定地域) | 8,010円 |
指定地域は以下の厚労省リンクで確認してください。
リンク先に載っている「以外の地域」が指定地域です。
職業訓練受講手当と同様、支給単位期間ごとに申請し、支給されます。
3:寄宿手当
ただし、支給要件はかなり限定的で、
- 自宅から学校に通うと、往復で4時間以上かかってしまう
- 公共交通機関の始発・終電が学校のスケジュールに全くかみ合わない
といった理由が必要です。
職業訓練受講手当、通所手当と同様、支給単位期間ごとに申請し、支給されます。
厚労省の公表データによると、寄宿手当はほとんど利用されていません。
まとめ
「受講指示」を受けた人への給付は、
- 基本手当
- 通所手当
- 受講手当
- 寄宿手当
です。
基本手当がいくらになるかは早見表をご覧ください。
なお、各手当は末締めの翌月払いです。
受講指示が出ず、「支援指示」で職業訓練を受ける場合、
もらえる給付は、
- 職業訓練受講手当
- 通所手当
- 寄宿手当
です。
なお、各手当は指定来所日に、支給単位期間ごとに請求します。
寄宿手当は対象者が限定的なので、よほどでない限りは考えなくていいでしょう。