この記事を読むと、訓練の種類がわかり、行きたい訓練を探しやすくなります。
こよおじ(雇用保険おじさん)
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職業訓練は大きく分けて4種類
- 公共職業訓練(施設内)
- 公共職業訓練(委託)
- 求職者支援訓練
- 介護労働講習
大きく分けてこの4つです。
では、それぞれを掘り下げて見ていきます。
1:公共職業訓練(施設内)の主な特徴
訓練の行われる場所
- 職業能力開発校(高等技術専門校など)
- ポリテクセンター
という学校内で行われます。
Googleマップで検索すれば場所が出てきますので、そこに通うイメージをしてください。
訓練の行われる期間
半年から1年といった比較的長い期間行われる訓練が多いのが特徴です。
なかには2年といった訓練もあります。
1年以上の訓練はほとんどが4月から始まり、入校の募集は概ね1月から行われます。
長い訓練に行きたい人は、年明けには退職を検討した上で、訓練校の受験に備えるのがいいでしょう。
訓練のコースについて
自動車、金属加工、木工、電気設備、機械など、ものづくり系の訓練が多いです。
また、IT系の訓練もあります。
年度内(4月から3月)に行われる公共職業訓練(施設内)はすべて発表されており、ハローワークインターネットサービスで確認できます。
例:公共職業訓練を検索したい。
検索方法(ハローワークインターネットサービス)
公共職業訓練を選択。
任意のエリアにチェック。
以上で公共職業訓練(施設内・委託)が両方検索されます。
施設内だけ、委託だけを検索する方法はありません。
(※画像クリックで再生)
導入訓練・導入講習について
募集要項を見ると、訓練コース名に「導入訓練付」、「導入講習付」と記載されているものがあります。
例えば、IoTシステムエンジニア科(導入訓練付)のような訓練コースです。
これは、本来のIoTシステムエンジニア科に1ヶ月先行して「導入訓練」を行うコースという意味です。
導入訓練では、主にコミュニケーション力や、訓練を受ける上で必要になるような基礎的なPC知識などを習得します。
対人スキルに自信がない人や、PCをほとんどさわったことがない人にはおすすめです。
例:導入訓練付の公共職業訓練を検索したい。
検索方法(ハローワークインターネットサービス)
公共職業訓練を選択。
任意のエリアにチェック。
詳細を入力する画面になります。
フリーワード欄に「導入」と入力。
以上で公共職業訓練の導入訓練付・導入講習付の訓練コースが検索できます。
(※画像クリックで再生)
企業実習について
募集要項を見ると、訓練コース名に「企業実習付」と記載されているものがあります。
例えば、ロボット溶接技術科(企業実習付)のような訓練コースです。
これは、ロボット溶接技術科の訓練終盤に「企業実習」を行うコースという意味です。
企業実習では、訓練で学んだスキルを活かしつつ、実際に企業で実習を行います。
実習を通して現場の技能を身につけることができますので、就職に直結する訓練と言えます。
双方合意の上、実習に行った会社に就職することもあり得ます。
例:企業実習付の公共職業訓練を検索したい。
検索方法(ハローワークインターネットサービス)
公共職業訓練を選択。
任意のエリアにチェック。
詳細を入力する画面になります。
フリーワード欄に「企業実習付」と入力。
以上で公共職業訓練の企業実習付の訓練コースが検索できます。
(※画像クリックで再生)
応募年齢について
年齢制限のある訓練コースが多いです。
制限年齢はまちまちで、訓練コースによるので、募集要項などで個別に確認するしかないです。
逆にいうと、年齢制限のない訓練コースもありますので、高齢者が訓練校に行くチャンスが全くないわけではありません。
訓練の費用について
テキスト代などはかかるにしても、受講料無料のイメージがある職業訓練校ですが、
1年以上の長い訓練コースなどでは、受講料がかかる訓練もあります。
長い訓練コースに応募する場合は、自己負担はいくらか、募集要項をきちんと読んでから応募しましょう。
2:公共職業訓練(委託)の主な特徴
訓練の行われる場所
- パソコンスクール
- カルチャースクール
- 専門学校
など、職業訓練を委託された学校に通うイメージです。
訓練の行われる期間
期間はまちまちですが、3ヶ月から半年の訓練が割合的には多いです。
なかには1年、2年といった長い訓練もあります。
訓練のコースについて
事務、IT、医療介護などのコースがあります。
公共職業訓練(委託)はあまり先に予定されている訓練は公開されておらず、順次公開されていきます。
また、去年はあった訓練コースが今年はない、なんてことも全然あり得ます。
よって、まめにハローワークインターネットサービスで確認する必要があります。※(施設内)はすべて公開されています。
例:公共職業訓練を検索したい。
検索方法(ハローワークインターネットサービス)
公共職業訓練を選択。
任意のエリアにチェック。
以上で公共職業訓練(施設内・委託)が両方検索されます。
施設内だけ、委託だけを検索する方法はありません。
(※画像クリックで再生)
応募年齢について
年齢制限はありません。
訓練の費用について
受講料は無料です。テキスト代や検定料などはかかります。
3:求職者支援訓練の主な特徴
訓練の行われる場所
- パソコンスクール
- カルチャーセンター
- 専門学校
など、職業訓練を委託された学校に通うイメージです。
訓練の行われる期間
2ヶ月〜最長でも6ヶ月と、短い期間で行われる訓練です。
訓練のコースについて
訓練の種類は一番多く、エクセルワードなどのPCスキルから、WEBデザイン、宅建、キャリアカウンセラー、ネイル、アロマ、エステまで幅広い訓練があります。
以下に簡単にまとめていますのでので、興味がある分野を開いてご覧ください。
基礎分野
- PCスキル(エクセル・ワード・パワーポイント・Web制作)
- コミュニケーションスキル
- ビジネスマナー
- 簿記
IT分野
- AIエンジニア
- スマホアプリ開発技術者
- プログラミング
- ゲーム・アプリ・Webクリエーター
- ネットワークセキュリティ
営業・販売・事務・医療事務分野
- PCスキル(エクセル・ワード・パワーポイント・Web制作)
- 総務・経理
- 税理士補助
- ファイナンシャルプランナー
- D X事務
- 広報・マーケティング
- 宅建
- (一般用医薬品)登録販売者
- 医療事務
医療・介護・福祉分野
- 介護職員初任者研修
- 介護福祉士実務者研修
- 同行援護従業者養成研修
- 保育士補助
農業分野
- 農業技術習得科
クリエイト・デザイン分野
- DTPオペレーター
- グラフィックデザイナー
- デジタルクリエイター(グラフィック&ムービー)
- Webデザイン
- ゲーム・キャラクターデザイナー
調理分野
- フードビジネス科
機械・建設分野
- 機械製図2D/3D-CADオペレーター
- 建設CAD
理美容分野
- アロマテラピー
- セラピスト
- ネイリスト
- エステティシャン
その他
- デジタルインストラクター
- キャリアカウンセラー
求職者支援訓練はあまり先に予定されている訓練は公開されておらず、順次公開されていきます。
また、去年はあった訓練コースが今年はない、なんてことも全然あり得ます。
よって、まめにハローワークインターネットサービスで確認する必要があります。
求職者支援訓練はいつどんな訓練が出るのかわかりませんので、まめにチェックしましょう。
例:求職者支援訓練を検索したい。
検索方法(ハローワークインターネットサービス)
求職者支援訓練を選択。
任意のエリアにチェック。
以上で求職者支援訓練が検索されます。
(※画像クリックで再生)
eラーニングコース
求職者支援訓練にはある程度の数、eラーニングの訓練があります。
育児、介護などで家を開けられず、訓練を受けたいけど、通学は厳しいという人もいるでしょう。
そういった人にはeラーニングの訓練はおすすめです。
また、求職者支援訓練は民間企業に委託されて訓練が行われます。
つまり、その地域の企業次第なところもあり、他の地域で行われている訓練コースが自分の地域では全くない、なんてことも全然あります。
そんな場合は、eラーニングの訓練を探してみましょう。
例:eラーニングの訓練を検索したい。
検索方法(ハローワークインターネットサービス)
詳細を入力する画面になります。
フリーワード欄に「eラーニング」と入力。
以上でeラーニングの訓練コースが検索できます。
(※画像クリックで再生)
応募年齢について
年齢制限はありません。
訓練の費用について
受講料は無料です。テキスト代や検定料などはかかります。
4:介護労働講習の主な特徴
介護労働安全センターが行う訓練です。
介護未経験が、約半年の訓練で「実務者研修」を終了することができます。
応募年齢について
年齢制限は特になく、比較的高齢の方の応募も多いです。
訓練の費用について
受講料は無料です。テキスト代や検定料などはかかります。
選考方法について
作文試験と面接により決定されます。
作文試験の問題は公開されており、令和5年度は「介護の仕事をめざす理由」(400 字程度・時間 40 分)です。
事前に考えてから試験に臨みましょう。
訓練の開始時期について
毎年6月に訓練が開始されることが多く、年に1度しかありません。
※令和5年度は6月15日から訓練開始となりました。
介護未経験から介護分野に転職したい人にはおすすめの訓練です。年に1度しかないので、行きたい人はタイミングを逃さないようにしましょう。
自分はどの訓練を受けることができるのか?
訓練は大きく分けて4種類あるんですね。
でも、自分はこの中のどの訓練なら受けることができるんだろう?
雇用保険受給者か、そうでないかで変わります。
雇用保険受給者の場合
雇用保険受給者の場合は、この記事で紹介した、
- 公共職業訓練(施設内)
- 公共職業訓練(委託)
- 求職者支援訓練
- 介護労働講習
のどれでも受けることができます。
純粋に受けたい訓練を受けましょう。
雇用保険が受給できない求職者の場合
雇用保険が受給できない求職者は、「介護労働講習」は受けることができません。
- 公共職業訓練(施設内)
- 公共職業訓練(委託)
- 求職者支援訓練
のどれかを選びましょう。
なお、訓練に行けることと、訓練中にお金がもらえることは別の話です。
訓練中にお金がもらえるかどうかは、下の記事を参考にしてください。
まとめ
職業訓練は大きく分けて4つあります。
- 公共職業訓練(施設内・委託)
- 公共職業訓練(委託)
- 求職者支援訓練
- 介護労働講習
です。
雇用保険受給者は、4つのうち、どれでも受講が可能です。
雇用保険受給者でない人は、介護労働講習は受けれませんので、残り3つのうちどれかを選びましょう。
お住まいの地区に受けたい訓練がない、または、育児などで通学が難しいという人はeラーニングの訓練を探しでみましょう。
- 公共職業訓練(委託)
- 求職者支援訓練
は、あまり先の訓練スケジュールは公開されていません。
どんな訓練が出るのかは、ハローワークインターネットサービスでまめにチェックしましょう。