- 学業に専念したいのは山々だけど、学費がきびしい・・・
- 教育訓練支援給付金を受けながらアルバイトはできるの?
お金は切実な問題で、ツイッターから質問も多くもらいました。
この質問にお答えすると、
結論、アルバイトできます。
しかし、働き方を間違えると、非常に損をしてしまいます。
そこで、この記事では教育訓練支援給付金受給中はどのように働けばいいのかを解説します。
具体的には
- どのくらい働けるの?
- 働かない方がいい期間は?
- どんな働き方がおすすめなの?
ここら辺をしっかり解説させていただきます。
こよおじ(雇用保険おじさん)
- 公務員 → 社会保険労務士
- 雇用保険関係実務10年以上
- X(@koyooji)で100件以上の質問に回答
- メインブログ:教育訓練給付・職業訓練受けたら本気だす
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どれくらいの時間ならアルバイトしていいの?
週20時間以上働くと、教育訓練支援給付金の支給が止まります。
理由は、教育訓練支援給付金は、仕事を辞めて学校に行く人を支援する制度だからです。
20時間以上働くと、就職していると同じ状態になります。
つまり支援の条件である「仕事を辞めて学校に行く人」ではなくなってしまうのです。
週20時間以上働くのなら、働いた分から生活費は出してくださいね、となってしまうのです。
もちろん、働くのは素晴らしいことです。
しかし、教育訓練支援給付金の支給が止まってしまっては、本末転倒です。
教育訓練支援給付金を受ける人は週20時間未満で働くようにしましょう。
アルバイトしない方がいい期間はあるの?
週20時間未満のアルバイトであればできることがわかりました。
ですが、週20時間未満であればどう働いても結果は同じなのでしょうか?
そうではありません。
人によっては働き方によって結果は変わってきます。
つまり、損する働き方、得する働き方があるということです。
ここからは、どのような働き方は損になるのか?
その辺りを解説していきます。
ただ、その前に、教育訓練支援給付金の支給の流れ知っておいてください。
これがわからないと話がごちゃごちゃしてきますのでお付き合いください。
教育訓練支援給付金の支給の流れ
まず、教育訓練支援給付金は
という流れで支給されます。
まずは、これを必ず知っておいてください。
働き方は支給のステップによって変える必要があります
この記事をご覧のあなたは、どのステップに該当しますか?
- STEP1の自分の失業給付を受けているところですか?
- STEP2の教育訓練支援給付金の支給が始まっているところですか?
すでにSTEP2の「教育訓練支援給付金の支給が始まった人」は、週20時間未満であればどのような働き方をしても影響はありません。
教育訓練支援給付金の支給が実際に始まった後なら、週20時間未満であれば働き方は自由
STEP2に進んでいる人は結論が出ましたので、この記事はここまでです。
20時間未満で働くことだけ注意してください。
さあ、STEP1の人はここからが大事になります。
影響があるのは教育訓練支援給付金に切り替わるまで
STEP1の「自分の失業給付を使い切る期間」の働き方は給付に大きな影響をあたえます。
この期間の働き方で大きく損をすることもあるので、きちんと仕組みを理解してアルバイトのシフトを組むようにしてください。
失業給付は
7日間
2ヶ月
人によってはない人もいます。
90日〜かけた年数に応じて支給
という流れで支給されます。
それぞれの期間でどのような働き方をすれば損にならないかを解説します。
おすすめの働き方は?
待期期間の働き方について
給付制限期間の働き方について
失業給付期間の働き方について
4時間未満で働いた場合は、稼ぎによっては失業給付が減額される可能性があります。
詳しくは下の記事で解説しています。
4時間未満の働き方を検討している人は必ず読んでから働くかを決めてください。
まれに4時間未満でもあまりに稼ぎが多い場合は4時間以上働いたと同じ扱いを受けることがあります。
4時間未満をおすすめする理由について
待期期間と、失業給付期間に4時間以上働くと
教育訓練支援給付金が始まるのが遅くなるから
です。
失業給付は4時間以上働いた日は使われません。
使わないので、失業給付の終了はどんどん後にずれていきます。
自分の給付が終わらないと、教育訓練支援給付金は始まりません。
つまり、教育訓練支援給付金をもらうのがどんどん遅くなってしまうのです。
教育訓練支援給付金はいつから始まっても受講している講座が終了するまでです。
であれば、教育訓練支援給付金は早くスタートした方が得ですよね。
失業給付を受けることを拒否した場合は?
アルバイトをして後ろにずれるのも、減額されるのも嫌です。
それならいっそのこと、失業給付を拒否して教育訓練支援給付金だけ受けたいです。
気持ちはわかります。
ですが、失業給付の拒否にはメリットがないのでやめましょう。
どういうことですか?
教育訓練支援給付金は自分の失業給付が終わったら支給されるんですよね?
失業給付を拒否した場合は、そうはならないんです。
失業給付を拒否した場合、教育訓練支援給付金の支給は考えうる中で最も遅くなります。
失業給付を拒否した場合、雇用保険の受給期間(退職日より1年後)まで教育訓練支援給付金が支給されることはありません。
基本手当の要件を満たしており、基本手当の受給資格決定を勧奨したものの基本手当の受給資格決定を希望しない場合には、一応教育訓練支援給付金の受給資格決定を行うが、基本手当が支給される期間は教育訓練支援給付金は支給されないことを説明する。なお、基本手当が支給される期間とは、受給期間内の基本手当(所定給付日数又は延長された日の基本手当)が受給できる期間である
雇用保険に関する業務取扱要領
ということで、失業給付の拒否には一切メリットがありません。
アルバイトをする場合は、後ろにずれるのも、減額されるのも受け入れて、働くパターンを考えてみてください。
働き方の3パターン
言葉だけでは少しわかりにくいので図にしてみます。
- アルバイトをしない場合
- 常にアルバイトをした場合
- 考えてアルバイトをした場合
の3パターンの収入見込みや、支給スケジュールを紹介します。
あくまでも例なので、12月に講座が終わると仮定しますね。
\ 下のタブを切り替えてご覧ください /(カレンダーはR4年を使用)
収入合計 | 1,036,800円 |
アルバイトの賃金 | 0円 |
失業給付 | 495,000円 |
教育訓練支援給付金 | 541,800円 |
- 待期期間 → 給付制限 → 失業給付 → 教育訓練支援給付金という流れになっていることを確認してください。
- この例では90日の失業給付を9月5日で使い切っています。
- 自分の失業給付を使い切ったので、9月6日から教育訓練支援給付金の支給が始まります。
いかがでしたか?
さすがに働かない場合とは収入は違います。
しかし
- 常にアルバイトをした場合
- 考えてアルバイトをした場合
この2つを比べた場合、あまり違わないと思いませんでしたか?
このように、働き方によってあまりお得にならない場合もあることがわかってもらえたと思います。
勉強をしながら働くことはとても大変なことです。体調に気をつけ、無理のないスケジュールを組みましょう。
どうしてもお金が必要な場合はダブルワーク
それぞれの仕事が20時間未満であれば、トータル20時間を超えても就職とはなりません。
雇用保険では一つの仕事を20時間以上働いているかによって就職かどうかを判断するのです。
教育訓練支援給付金を受ける人は主に
- 待期期間
- 給付制限期間
- 失業給付が支給される期間
- 教育訓練支援給付金が支給される期間
のフェーズがあり、
❷給付制限期間
❹教育訓練支援給付金が支給される期間
については、ダブルワークが有効です。
20時間未満の仕事を複数掛け持つことによって、トータル20時間以上働くことが可能となります。
一方で、
❶待期期間
❸失業給付が支給される期間
のダブルワークはあまり推奨しません。
例えば、2時間のバイトを2つ掛け持ちし、トータルで1日4時間以上働いたとすると、
その日は失業していなかった扱いとなり、待期や給付が後にずれてしまいます。
教育訓練支援給付金は自分の給付が終わってから支給が始まるため、この働き方はあまり得になりません。
掛け持つ人は、待期期間、失業給付が支給される期間、の働き方には注意しましょう。
まとめ
教育訓練支援給付金を受けながらのアルバイトは可能です。
ただし、週20時間以上にならないこと。
これだけは注意してください。
また、教育訓練支援給付金が始まる前の、失業給付の期間は働き方によって大きく給付額が変わります。
働くことがあまり得にならないケースもあります。
専門実践教育訓練給付と教育訓練支援給付金を合わせるとかなり手厚い給付だとはいえ、学費も高いことからやはり金銭面には不安がありますよね。
学業に専念したいのはやまやまだけど、働かなければ回らないという人もいるでしょう。
そういう人は、この記事を何度も読み直して、少しでも無理のない働き方を考えてみてください。